コンサルティング事例

組織変革の“本質”に、二人三脚で取り組むパートナー

徳山積水工業株式会社 田中様

徳山積水工業株式会社
常務取締役、CS・経営管理部長(産業カウンセラー)
田中佐一郎氏

徳山積水工業株式会社

積水化学グループの原料部門企業として、創業以来、塩化ビニル樹脂を主とした合成樹脂の生産を開始。

https://tokuyamasekisui.co.jp/

田中様のプロフィールを教えてください。

1981年に積水化学工業株式会社に入社し、営業職を歩み、人事部長、事業部長を経て、積水グループの各関連会社で採用・人事・経営企画・マーケティングなどの部署を担当してきました。現在は、徳山積水工業株式会社の常務取締役、CS・経営管理部長を担っています。

チェンジ・アーティストのコンサルティングを導入したきっかけを教えてください。

荻阪さんとの最初の出会いは、私が人事を担当していた際「本音でモノが言えない組織」に疑問を持ち、訪ねたことがきっかけになります。

当時の人事を担当していた組織では300人程いた社員一人ひとりを、私と荻阪さんで面談して回ることからはじめました。現場での変革は3年間、継続しました。最初は「何でこんなことをするのか?」といった疑いの目が現場からあがっていたのも事実です。

特に中間管理職層からは、今まで組織を支えるために一生懸命やってきたのに、外部からコンサルタントを入れて何か企んでいるとも思われていましたね。

ただ、個別面談をしていくうちに同じ想いを持った人が出てくる、そしてその社員同士を繋いで、結束させていくことで確実に組織力がアップしていくことを感じました。職場における当事者主体の「チーム改善活動」が実現したと言ってもいいでしょう。

同時に、テーマ別に50程あった組織の会議を、4つの目的別(報告・情報共有・アイデア、智恵だし・意思決定)に整理して、無駄な会議は、やらないと決めて、会議を50%削減して、顧客に向かって「攻めの時間を創出」しました。

その当時の上司が言った一言が印象的だったのですが、『荻阪氏はコンサルタントにあるまじき人物。普通はコンサルタントがきれいな企画書を持ってくるが、彼は企画書を作ってこない。つまりは、組織の悩みに対する解答や方法は自社で持っており、その「自分の想い」と「方法論」をいかに引き出すかを彼は導いてくれている』 つまり企業を変えるのはコンサルタントではなく、社員一人ひとりだと自覚を促して支えてくれます。

私は、そこに組織のチームビルディングにおける本質的な所があるように思いました。

その後は、どういった取り組みをしてきたのでしょうか?

事業部長時代は、「成熟事業の中でいかに社員を元気にするか」といことをテーマに組織変革に取り組みました。しかし、競合企業へ事業売却などもあり、志半ばでしたが、次の事業組織では、取締役経営企画部長として、今度は社長、取締役、部長層と徹底した議論を通して「変革ビジョン」を構築して、「従業員参画型の組織変革」を荻阪さんと行うわけです。

この組織は、みんなまじめで仕事熱心な反面、おとなしく上司との会話も少ない。会議では若手社員が上から言われたことに従っているだけといった印象でした。

そこで、最初は「外部のコンサルタントには頼らない」と明言していた社長に対して、荻阪さんは顧客や社員に対する想いを熱心にヒアリングし、「売上や利益も大事だが、一番大事なものは社員の幸せ。社員が幸せではない会社は、お客様を幸せにはできない。社員が誇れる会社にしたい!」という社長の想いを引き出し、経営の方向性にして、変革を進めていきました。

具体的には、「個の強みを最大限に発揮できる組織づくり」を 課題に掲げ「企業理念・経営ビジョンの構築」「やらない戦略の決定」「事業ドメインの設定」を行い、これら「変革ビジョンの浸透、定着」を経営幹部から女性社員に至るまで全従業員に徹底し、組織のベクトルを合わせていきました。

そして、社内の共通言語を作り出し、具体的なビジネスモデルにまで展開した結果、社員の自発的な意欲が向上し、増収・増益を達成して、最終的な目標として掲げた「会社魅力度No1」にも限りなく近づいていると感じています。

チェンジ・アーティストの強みは何だと思いますか

荻阪さんの「コンサルティング・スタイル」だと思いますね。

例えば、組織の悩みを解決していく取り組みは、最初は格好良く「もっとよい組織にするぞ!」とスタートします。

しかし、何か壁に当たると簡単に挫折してしまうのは、よくあることです。そんな時に荻阪さんは「なぜ組織変革をはじめたのか」「自分は何に悩んでいるのか」などを、ことあるごとに振り返る機会を与えてくれることで、前に進むよう背中を押してくれます。

もちろん、本人の著書である「結束力の強化書」でもあるように豊富な組織力コンサルティングのメソッドを持ちながらも、機械的ではなく一人の人間として関わってくれる点が素晴らしいと感じています。

田中様の現在、そしてこれからについて教えてください。

現在、私が在籍している徳山積水工業株式会社には、50年の歴史の中で築いた確固たる経営理念が存在しています。それを次の50年に向けて残すべきものは残し、時代に合わせて変えるものは果敢に変えること。そのための中期計画を策定しているところです。

実は、この取り組みはチェンジ・アーティスト社に頼らず、まずは自らの力を試したいと思い、今まで習ったことを活かしています。個人的には、2009年に「キャリア・コンサルタント資格」(日本生産性本部)、2012年に「産業カウンセラー資格」(産業カウンセラー協会)を取得し、今後はメンタルへスや人材育成、組織の活性化など、個々人との面談を切り口にした現場の環境づくりを「ライフワーク」として取り組んでいきたいと考えています。

そういう意味では、荻阪さんと二人三脚で組織力コンサルティングに取り組んできた中で多くのことを学びました。だからこそ今度は私自身が、人と組織を変えていく力になりたいと考えています。

最後に一言お願いします。

荻阪さんは「最初から答えを用意しないコンサルタントです」。そういうと、組織の課題を現在抱えている方は、すぐにでも処方箋がほしいと不安に思うかもしれません。

しかし、組織戦略を実行するのはコンサルタントでも、社長や役員だけでもなく、社員1人ひとりが自主的に行動し、さらにはそういう人を2人3人と増やしていくことが重要なのです。そのために、荻阪さんが時に励まし、時にしつこく(笑)支えてくれる存在です。

ぜひ、皆さんが本気で会社を変えたいという強い想いのあるのなら、講演会等で本人の組織変革への想いを感じてみてはいかがでしょうか。きっと、そこから何かが変わるきっかけをつかめると思います。